条文
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和五十年四月一日から施行する。
(経過措置の原則)
第二条 この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後の所得税法(以下「新法」という。)の規定は、昭和五十年分以後の所得税について適用し、昭和四十九年分以前の所得税については、なお従前の例による。
(昭和五十年分の所得税に係る予定納税基準額の計算の特例)
第三条 居住者の昭和五十年分の所得税については、新法第百四条第一項(予定納税額の納付)に規定する予定納税基準額(以下「予定納税基準額」という。)は、次項の規定の適用がある場合を除き、第一号に掲げる金額に第二号に掲げる率を乗じて計算した金額によるものとする。
一 その者の昭和四十九年分の課税総所得金額に係る所得税の額(当該課税総所得金額の計算の基礎となつた各種所得の金額のうちに譲渡所得の金額、一時所得の金額、雑所得の金額又は雑所得に該当しない臨時所得の金額があつた場合には、改正前の所得税法(以下「旧法」という。)第百四条第一項第一号の規定に基づく政令の規定に準じてこれらの金額がなかつたものとみなして計算した額とし、同年分の所得税について災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(昭和二十二年法律第百七十五号)第二条(所得税の軽減又は免除)の規定の適用があつた場合には、同条の規定の適用がなかつたものとして計算した額とする。)から、当該各種所得につき源泉徴収をされた又はされるべき所得税の額(一時所得の金額、雑所得の金額及び雑所得に該当しない臨時所得の金額に係るものを除く。)を控除した金額
二 前号に掲げる金額の計算の基礎となつた課税総所得金額(昭和四十九年分の所得税について旧法第九十条第一項(変動所得及び臨時所得の平均課税)の規定の適用があつた場合には、同項第一号に規定する調整所得金額とし、同年分の課税総所得金額の計算の基礎となつた各種所得の金額のうちに譲渡所得の金額、一時所得の金額、雑所得の金額又は雑所得に該当しない臨時所得の金額があつた場合には、旧法第百四条第一項第一号の規定に基づく政令の規定に準じてこれらの金額がなかつたものとみなして計算した金額とする。以下次項までにおいて「課税総所得金額等」という。)と当該課税総所得金額等の計算の基礎となつた旧法第五十七条第三項(事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例等)に規定する事業専従者、控除対象配偶者及び扶養親族の有無並びにこれらの者の数に応じ附則別表により求めた率
2 昭和四十九年分の課税総所得金額等が三千万円以上である居住者の昭和五十年分の所得税に係る予定納税基準額は、その者の前項第一号に掲げる金額から五十五万円を控除した金額によるものとする。
3 昭和四十九年分の所得税につき旧法第九十七条第一項(合算対象世帯員がある場合の税額)の規定の適用があつた場合における昭和五十年分の予定納税基準額の計算については、政令で定める。
4 非居住者の昭和五十年分の所得税に係る予定納税基準額は、前三項の規定に準じて計算したところによる。
(非居住者の受ける賞金に係る課税標準に関する経過措置)
第四条 新法第百六十九条第三号(分離課税に係る所得税の課税標準)及び第二百十三条第一項第一号(非居住者の所得に係る源泉徴収税額)の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に支払を受けるべきこれらの号に掲げる賞金について適用し、施行日前に支払を受けるべき当該賞金については、なお従前の例による。
(給与所得等に係る源泉徴収に関する経過措置)
第五条 新法第四編第二章第一節(給与所得に係る源泉徴収義務及び徴収税額)の規定及び新法別表第四から別表第六までは、施行日以後に支払うべき新法第百八十三条第一項(給与所得に係る源泉徴収義務)に規定する給与等(以下この条において「給与等」という。)について適用し、施行日前に支払うべき給与等については、なお従前の例による。
2 新法第百九十条(年末調整)の規定並びに新法別表第七及び同表の付表は、昭和五十年中に支払うべき給与等でその最後に支払をする日が施行日以後である場合について適用し、その最後に支払をする日が施行日前である場合については、なお従前の例による。
3 新法第二百一条(退職所得に係る源泉徴収税額)の規定並びに新法別表第八及び同表の付表は、昭和五十年中に支払うべき新法第百九十九条(退職所得に係る源泉徴収義務)に規定する退職手当等(以下「退職手当等」という。)で施行日以後に支払われるものについて適用し、同年中に支払うべき退職手当等で施行日前に支払われたものについては、なお従前の例による。
4 新法第二百五条第一号(報酬、料金等に係る源泉徴収税額)の規定は、施行日以後に支払うべき同号に掲げる報酬若しくは料金又は契約金について適用し、施行日前に支払うべき当該報酬若しくは料金又は契約金については、なお従前の例による。
(施行日前に出国をした者に係る更正の請求)
第六条 施行日前に昭和五十年分の所得税につき旧法第百二十七条(年の中途で出国をする場合の確定申告)(旧法第百六十六条(非居住者に対する準用)において準用する場合を含む。)の規定による申告書を提出した者及び施行日前に同年分の所得税につき国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二十五条(決定)の規定による決定を受けた者は、当該申告書に記載された事項又は当該決定に係る事項(これらの事項につき施行日前に同法第二十四条(更正)又は第二十六条(再更正)の規定による更正があつた場合には、当該更正後の事項)につき新法の規定の適用により異動を生ずることとなつたときは、その異動を生ずることとなつた事項について、昭和五十一年三月三十一日までに、税務署長に対し、国税通則法第二十三条第一項(更正の請求)の更正の請求をすることができる。
2 前項の更正の請求に基づく国税通則法第二十四条又は第二十六条の規定による更正があつた場合において、新法第百五十九条第二項(更正又は決定による源泉徴収税額等の還付)(新法第百六十八条(非居住者に対する準用)において準用する場合を含む。)の規定による還付金について国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)に規定する還付加算金を計算するときは、その計算の基礎となる同項の期間は、施行日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき同法第五十七条第一項(充当)の規定による充当(以下「充当」という。)をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
(施行日前に支払われた退職所得に係る源泉徴収税額の還付)
第七条 昭和五十年中に支払うべき退職手当等で施行日前に支払われたものにつき旧法第百九十九条から第二百二条まで(退職所得に係る源泉徴収)の規定により徴収された所得税の額が、当該退職手当等につき新法第二百一条及び第二百二条の規定を適用した場合における所得税の額を超えるときは、当該退職手当等の支払を受けた居住者は、政令で定めるところにより、同年六月三十日までに、納税地の所轄税務署長に対し、その超える金額の還付を請求することができる。
2 前項に規定する退職手当等につき同項の規定による還付の請求があつた場合には、その居住者の昭和五十年分の所得税についての申告、更正又は決定、納付、徴収(退職手当等に係る源泉徴収を除く。)及び還付(当該請求に係る還付を除く。)に関する規定の適用並びに同年中に支払うべき退職手当等で施行日以後に支払われるものに対する新法第二百一条第一項第二号の規定の適用については、当該請求に係る退職手当等について旧法第百九十九条から第二百二条までの規定により徴収された所得税の額から当該請求により還付すべき金額を控除した金額の所得税の徴収が行われたものとみなす。
3 第一項の規定による還付金について国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)に規定する還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる同項の期間は、第一項の規定による還付の請求があつた日から一月を経過する日の翌日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
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データ提供: e-Gov法令検索