条文
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和四十九年四月一日から施行する。
(経過措置の原則)
第二条 この附則に別段の定めがあるものを除き、第一条の規定による改正後の所得税法(以下「新法」という。)の規定は、昭和四十九年分以後の所得税について適用し、昭和四十八年分以前の所得税については、なお従前の例による。
(昭和四十九年分の所得税の所得控除等及び税額の計算に係る特例)
第三条 昭和四十九年分の給与所得の金額は、同年中の新法第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等(以下「給与等」という。)の収入金額を附則別表第五の付表の給与等の金額として、同表により当該金額に応じて求めた同表の給与所得控除後の給与等の金額に相当する金額によるものとする。
2 昭和四十九年分の所得税については、次の表の上欄に掲げる新法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第五十七条第三項第一号(事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例等) |
三十万円 |
二十七万五千円 |
第七十九条第一項及び第二項(障害者控除) |
十六万円 |
十五万二千五百円 |
二十四万円 |
二十二万七千五百円 |
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第八十条第一項(老年者控除)、第八十一条第一項(寡婦控除)及び第八十二条第一項(勤労学生控除) |
十六万円 |
十五万二千五百円 |
第八十三条第一項(配偶者控除) |
二十四万円 |
二十三万二千五百円 |
第八十四条第一項(扶養控除) |
二十四万円 |
二十二万円(居住者に配偶者がなく、かつ、老人扶養親族以外の扶養親族を有する場合には、その扶養親族のうち一人については、二十二万五千円) |
第八十四条第二項 |
二十八万円 |
二十五万七千五百円 |
第八十六条第一項(基礎控除) |
二十四万円 |
二十三万二千五百円 |
第九十条第二項(変動所得及び臨時所得の平均課税) |
二百万円以下 |
二百万円未満 |
別表第二 |
所得税法及び災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律(昭和四十九年法律第十五号。以下「改正法」という。)附則別表第一 |
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第百九十条第二号(年末調整) |
別表第七の付表 |
改正法附則別表第五の付表 |
別表第七 |
改正法附則別表第五 |
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第二百一条第一項(退職所得に係る源泉徴収税額) |
別表第八 |
改正法附則別表第六 |
3 昭和四十九年分の課税総所得金額、課税退職所得金額若しくは課税山林所得金額に係る所得税の額又は新法第九十条第一項第一号に掲げる税額は、次の各号に掲げる税額の区分に応じ当該各号に掲げる税額によるものとする。
一 課税総所得金額又は課税退職所得金額に係る所得税の額 当該課税総所得金額又は課税退職所得金額に応じ附則別表第一に定める税額
二 課税山林所得金額に係る所得税の額 当該課税山林所得金額に応じ附則別表第二に定める税額
三 新法第九十条第一項第一号に掲げる税額 同号に規定する調整所得金額に応じ附則別表第一に定める税額
(少額預金の利子所得等の非課税に関する経過措置)
第四条 新法第十条(少額預金の利子所得等の非課税)の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に預入し、信託し、又は購入する同条第一項に規定する預貯金、合同運用信託又は有価証券について適用する。
2 国内に住所を有する個人が、施行日前に預入し、信託し、又は購入した第一条の規定による改正前の所得税法(以下「旧法」という。)第十条第一項に規定する預貯金、合同運用信託又は有価証券で同日において同条に規定する要件を満たすものを有する場合には、当該預貯金、合同運用信託又は有価証券については、その者が同日において新法第十条の要件に従つて預入し、信託し、又は購入したものとみなして、同条の規定を適用する。
3 前項に規定する個人が、施行日において新法第十条第一項に規定する預貯金、合同運用信託又は有価証券で昭和四十八年十二月一日から施行日の前日までの間に同項に規定する金融機関の営業所等において預入し、信託し、又は購入したもの(前項の規定の適用を受けるものを除く。以下この条において「旧預貯金等」という。)を有する場合において、当該旧預貯金等に係る利子又は収益の分配(施行日以後に支払を受けるべきものに限る。)につき同日以後最初に支払を受ける日(その日が昭和四十九年十二月三十一日後である場合には、同日とし、施行日以後これらの日前に当該金融機関の営業所等において新法第十条第一項に規定する預貯金、合同運用信託又は有価証券で同項の規定の適用を受けようとするものを預入し、信託し、又は購入する場合には、その最初に預入し、信託し、又は購入する日とする。)までに、同条第三項に規定する非課税貯蓄申告書又は同条第四項に規定する申告書を当該金融機関の営業所等を経由してこれらの規定に規定する税務署長に、当該旧預貯金等に係る同条第一項に規定する非課税貯蓄申込書を当該金融機関の営業所等に、それぞれ提出したとき(当該旧預貯金等が同項第二号に規定する無記名の受益証券に係る貸付信託又は同項第三号に規定する有価証券である場合には、その提出の際これらの規定に規定する保管の委託又は登録がされるときに限る。)は、当該利子又は収益の分配については、当該旧預貯金等は施行日に当該金融機関の営業所等において預入し、信託し、又は購入したものと、これらの申告書及び申込書は同日に提出されたものと、当該保管の委託又は登録は同日に行われたものと、それぞれみなして同条の規定を適用する。
4 前項に定めるもののほか、旧預貯金等に係る新法第十条の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(青色申告の承認の申請等に係る経過措置)
第五条 新法第五十七条第二項(事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例等)及び第百四十四条(青色申告の承認の申請)(新法第百六十六条(非居住者に対する準用)において準用する場合を含む。)の規定(これらの規定に規定する事業又は業務を開始した場合に係る部分に限る。)は、施行日以後に当該事業又は業務を開始する場合について適用し、同日前に当該事業又は業務を開始した場合については、なお従前の例による。
(昭和四十九年分の所得税に係る予定納税基準額の計算の特例)
第六条 居住者の昭和四十九年分の所得税については、新法第百四条第一項(予定納税額の納付)に規定する予定納税基準額(以下「予定納税基準額」という。)は、次項の規定の適用がある場合を除き、第一号に掲げる金額に第二号に掲げる率を乗じて計算した金額によるものとする。
一 その者の昭和四十八年分の課税総所得金額に係る所得税の額(当該課税総所得金額の計算の基礎となつた各種所得の金額のうちに譲渡所得の金額、一時所得の金額、雑所得の金額又は雑所得に該当しない臨時所得の金額があつた場合には、旧法第百四条第一項第一号の規定に基づく政令の規定に準じてこれらの金額がなかつたものとみなして計算した額とし、同年分の所得税について第二条の規定による改正前の災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律第二条(所得税の軽減又は免除)の規定の適用があつた場合には、同条の規定の適用がなかつたものとして計算した額とする。)から、当該各種所得につき源泉徴収をされた又はされるべき所得税の額(一時所得の金額、雑所得の金額及び雑所得に該当しない臨時所得の金額に係るものを除く。)を控除した金額
二 前号に掲げる金額の計算の基礎となつた課税総所得金額(昭和四十八年分の所得税について旧法第九十条第一項(変動所得及び臨時所得の平均課税)の規定の適用があつた場合には、同項第一号に規定する調整所得金額とし、同年分の課税総所得金額の計算の基礎となつた各種所得の金額のうちに譲渡所得の金額、一時所得の金額、雑所得の金額又は雑所得に該当しない臨時所得の金額があつた場合には、旧法第百四条第一項第一号の規定に基づく政令の規定に準じてこれらの金額がなかつたものとみなして計算した金額とする。以下次項までにおいて「課税総所得金額等」という。)と当該課税総所得金額等の計算の基礎となつた旧法第五十七条第三項(事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例等)に規定する事業専従者、控除対象配偶者及び扶養親族の有無並びにこれらの者の数に応じ附則別表第三により求めた率
2 昭和四十八年分の課税総所得金額等が三千万円以上である居住者の昭和四十九年分の所得税に係る予定納税基準額は、その者の前項第一号に掲げる金額から百五十万円を控除した金額によるものとする。
3 昭和四十八年分の所得税につき旧法第九十七条第一項(合算対象世帯員がある場合の税額)の規定の適用があつた場合における昭和四十九年分の予定納税基準額の計算については、政令で定める。
4 非居住者の昭和四十九年分の所得税に係る予定納税基準額は、前三項の規定に準じて計算したところによる。
(昭和五十年分の純損失の繰戻しによる還付に係る特例)
第七条 昭和五十年において純損失の金額がある場合における新法第百四十条第一項(純損失の繰戻しによる還付の請求)又は第百四十一条第一項(相続人等の純損失の繰戻しによる還付の請求)(これらの規定を新法第百六十六条(非居住者に対する準用)において準用する場合を含む。)の規定の適用については、これらの規定による還付金の計算の基礎となる所得税の額は、附則第三条第三項(昭和四十九年分の所得税の所得控除等及び税額の計算に係る特例)の規定(同条第二項の規定により読み替えられた新法第九十条第二項(変動所得及び臨時所得の平均課税)の規定を含む。)を適用して計算した所得税の額による。
(給与所得及び退職所得に係る源泉徴収に関する経過措置)
第八条 新法第四編第二章第一節(給与所得に係る源泉徴収義務及び徴収税額)の規定及び新法別表第四から別表第六までは、施行日以後に支払うべき給与等について適用し、同日前に支払うべき給与等については、なお従前の例による。
2 附則第三条第二項(昭和四十九年分の所得税の所得控除等及び税額の計算に係る特例)の規定により読み替えられた新法第百九十条(年末調整)の規定並びに附則別表第五及び同表の付表は、昭和四十九年中に支払うべき給与等でその最後に支払をする日が施行日以後である場合について適用し、その最後に支払をする日が施行日前である場合については、なお従前の例による。
3 附則第三条第二項の規定により読み替えられた新法第二百一条(退職所得に係る源泉徴収税額)の規定並びに附則別表第六及び新法別表第八の付表は、昭和四十九年中に支払うべき新法第百九十九条(退職所得に係る源泉徴収義務)に規定する退職手当等(以下「退職手当等」という。)で施行日以後に支払われるものについて適用し、同年中に支払うべき退職手当等で同日前に支払われたものについては、なお従前の例による。
(施行日前に出国をした者に係る更正の請求)
第九条 施行日前に昭和四十九年分の所得税につき旧法第百二十七条(年の中途で出国をする場合の確定申告)(旧法第百六十六条(非居住者に対する準用)において準用する場合を含む。)の規定による申告書を提出した者及び同日前に同年分の所得税につき国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二十五条(決定)の規定による決定を受けた者は、当該申告書に記載された事項又は当該決定に係る事項(これらの事項につき同日前に同法第二十四条(更正)又は第二十六条(再更正)の規定による更正があつた場合には、当該更正後の事項)につき新法の規定の適用により異動を生ずることとなつたときは、その異動を生ずることとなつた事項について、昭和五十年三月三十一日までに、税務署長に対し、国税通則法第二十三条第一項(更正の請求)の更正の請求をすることができる。
2 前項の更正の請求に基づく国税通則法第二十四条又は第二十六条の規定による更正があつた場合において、新法第百五十九条第二項(更正又は決定による源泉徴収税額等の還付)(新法第百六十八条(非居住者に対する準用)において準用する場合を含む。)の規定による還付金について国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)に規定する還付加算金を計算するときは、その計算の基礎となる同項の期間は、施行日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき同法第五十七条第一項(充当)の規定による充当(以下「充当」という。)をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
(施行日前に支払われた退職所得に係る源泉徴収税額の還付)
第十条 昭和四十九年中に支払うべき退職手当等で施行日前に支払われたものにつき旧法第百九十九条から第二百二条まで(退職所得に係る源泉徴収)の規定により徴収された所得税の額が、当該退職手当等につき附則第三条第二項(昭和四十九年分の所得税の所得控除等及び税額の計算に係る特例)の規定により読み替えられた新法第二百一条及び新法第二百二条の規定を適用した場合における所得税の額を超えるときは、当該退職手当等の支払を受けた居住者は、政令で定めるところにより、同年六月三十日までに、納税地の所轄税務署長に対し、その超える金額の還付を請求することができる。
2 前項に規定する退職手当等につき同項の規定による還付の請求があつた場合には、その居住者の昭和四十九年分の所得税についての申告、更正又は決定、納付、徴収(退職手当等に係る源泉徴収を除く。)及び還付(当該請求に係る還付を除く。)に関する規定の適用並びに同年中に支払うべき退職手当等で施行日以後に支払われるものに対する新法第二百一条第一項第二号の規定の適用については、当該請求に係る退職手当等について旧法第百九十九条から第二百二条までの規定により徴収された所得税の額から当該請求により還付すべき金額を控除した金額の所得税の徴収が行われたものとみなす。
3 第一項の規定による還付金について国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)に規定する還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる同項の期間は、第一項の規定による還付の請求があつた日から一月を経過する日の翌日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
条文数: 10
データ提供: e-Gov法令検索